ロシア漁業情報

2020/2/5
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2020/02

                                            2020年02月05日
ユーザー  各位
                                                               
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、2020年1月24日、ロシア・メディアは一斉に、ハバロフスク裁判所が、極東の“カニ王”と称されたアレッグ・カンを対象としたロシア捜査委員会による拘留請求を認めなかったことを伝えました。十分な証拠がなかったことがその理由とのことです。アレッグ・カンは、同業他者のワレリイ・プヒデンコが2010年にウラヂオストクで殺害された事件に関与した被告として、翌2011年、裁判にかけられたものの、その後、告訴が取り下げられ、2012年から2018年まで追加的捜査も中止されました。しかし、2019年初め、事件は、ロシア捜査委員会のサハリン支部から同ハバロフスク支部に移管されました。2020年1月23日、ロシア捜査委員会は、殺人事件への関与によりアレッグ・カンの逮捕を請求し、国際指名手配リストに載せられることになると発表していました。一連の経緯について業界関係者は、水棲生物資源の漁獲割当の配分過程におけるオークション導入を拡大、産業に新規参入したい勢力が、肯定的な情報背景をつくるため、過去の漁獲実績に基づき配分を受ける既存勢力に”悪いイメージ”を与える必要があったと分析しています。
 今月号においては、このカニ漁業にアクセスを求めていると推察される新興勢力の動向等に関する情報をTopNews としてご報告申し上げます。
 なお、ロシア大統領プーチンは2020年1月21日、先のメドヴェージェフ内閣の総辞職を受け、ミハイル・ミシュスチンを首相とする新たな閣僚を任命する中、漁業分野を管理する農業大臣についてはドミトリー・パトルシェフを再任させました。あわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
Contents
TopNews 極東“カニ王”Олег Кан”(アレッグ・カン) ハバロフスク裁判所拘留認めず
・漁業分野 ロシア農業大臣 ドミトリー・パトルシェフ再任(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外13件)
・漁船建造にかかる政府小委員会 完了期間延長を支持(カニ漁獲割当配分問題関連)
・シェスタコフ”投資クオータ”の配分シェア拡大を示唆(投資クオータ関連外4件)
・オホーツク海抱卵スケトウダラ操業 科学OBリポート(オ海抱卵スケトウダラ・ニシン操業関連外9件)
・2019年 ロシア漁業者生産量 492万トン(ロシア漁業者底魚等操業関連外6件)
・北海道隣接サハリン州コマイ操業概況(サ州コマイ操業関連7件)
・サ州太平洋サケマス増殖事業 更に孵化場が8事業所増加(太平洋サケマス操業関連外1件)
・チンロ サンマ漁業効率化実験などを行う(サンマ操業関連)
・ロシアFSB 違法漁業行政罰強化法案を用意(ロシアFOC/IUU取締情報関連外1件)
・米国水産業界は”フエーズ1”を祝う前に詳細を求めている(その他ロシア漁業関連情報等外14件)
・ロシア漁業庁サハリン・クリール地域管理局 取締報告(1件)
・米国 韓国の違法漁業国予備指定を4カ月で解除(韓国漁業関連)
・韓国市場 スケトウダラ等政府備蓄水産物を放出(韓国スケトウダラ市場価格モニター外3件)
・北朝鮮産水産物が人気 中国・ロシアにより制裁事実上無力化(北朝鮮漁業関連)
・英国EU離脱 漁業分野は最大の危険地帯(英国EU離脱Brexit関連外4件)
計77オリジナル報告
http://kisenren.com