ロシア漁業情報

2023/8/10
ロシア漁業ニュースヘッドライン 2023/08

  2023年08月10日

ユーザー 各位







拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ(ВАРПЭ)会長ズベレフは、銀行と国家が、現在のロシア産カニとその国際市場の動向を冷静にモニターし、カニ漁業のリスクを理解する必要があると指摘しています。

 強力な経営資源を持つロシア大手企業数社が世界のカニ市場での寡占を目指しており、ロシアの銀行が、この挑戦に興味を持っていること、また、国家がそれを“超過利潤税”の対象とみなしていること等について言及し、一方で、漁業分野が、自然環境、海外経済などの大きなリスクにさらされていることを説明、実際に資源の減少を理由に、米国がブリストル湾のタラバガニとベーリング海のズワイガニ(オピリオ)の漁業を2024年まで停止していることや、ロシア自体も外国の経済的制裁に直面していること等を例示しました。

 さらにズベレフは、水産業界の資金調達債務額が 昨年2022 年に5,090億ドルに達し、負債はわずか 5年間でほぼ4 倍に増加しており、原因の半分は2019年のカニ漁獲割当オークションにあって、今後、カニのオークション規則により、業界はさらに約2,500億ドルの借り入れが必要になるとの見積を示し、借り手となる漁業者は変わらないため、融資負担はさらに増大すると説明、銀行と国家は、いつでも変わる可能性がある極めて不安定なビジネスに依存していると加えました。

 今月号においては、一連の制裁下におけるロシア漁業の経済的インデクスの低下と、これへの対応、取り組み等に関する情報を前月号に引き続き TopNews としてご報告申し上げます。

 なお、ロシア漁業庁は、2023年6月30日付政府命令No.1744-rにより、同庁の新副長官としてアンドレイ・ヤコヴレフ(Андрей Яковлев)が任命されたと発表しました。これらの漁業管理当局の人事等の関連情報もあわせてお知らせ申し上げます。

                                                         敬具

(国際漁業対策事業部;原口聖二)




TopNews ロシア漁業 銀行と国家はカニ漁業のリスクを理解する必要がある

・ロシア漁業庁 新副長官が任命される(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外28件)

・独占禁止庁 漁獲割当配分の寡占化の危険性を指摘(投資クオータ/漁獲割当オークション関連外9件)

・ロシア漁業者漁獲量 278万トンとなる(ロシア漁業生産/貿易動向関連外5件)

・2023年上期 ロシアのスケトウダラ漁業が堅調に推移(スケトウダラ・マダラ・ニシン等操業関連外1件)

・一気に生産を伸ばすロシア太平洋サケマス操業(太平洋サケマス操業関連外24件)

・ロシア漁業者イワシ・サバ操業概況(イワシ・サバ サンマ漁業関連外8件)

・上昇し続けるロシアのフィッシュミール価格(その他ロシア漁業関連情報等外13件)

・韓国冷凍スケトウダラ市場動向 2023年7月 高水準維持(韓国スケトウダラ市場関連)

・韓国近海スルメイカ操業 2022年度漁期操業結果(韓国・中国等 東アジア漁業関連外1件)

・貿易手続きでEU離脱メリットが消える英国漁業(ポスト英国EU離脱Brexit関連外1件)

・アイルランド タラ産卵場への影響 金銭補償交渉へ(洋上風力発電と漁業 海外の経験外4件)




計106オリジナル報告

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